シラクーサにはネアポリス考古学公園という観光地があります。
公園内にはギリシャ時代と古代ローマ時代の遺跡が点在していて、
円形劇場や石切り場などを見て回ることができます。
その遺跡群の中でも特に興味深かったのが、
ディオニュシオスの耳と呼ばれる巨大な洞窟。
これは石を切り出した後にできた洞窟なのですが、
後にここを訪れた画家のカラヴァッジォが、
この洞窟耳に似てるな、ということで命名したらしいです。
中に入ってみると薄暗くてひんやり、
洞窟の最深は真っ暗で目の前の人の顔もほぼ見えません。
そしてびっくりしたのが声がとてもよく響くこと。
遠くで話している人のヒソヒソ声も聞こえてきます。
この洞窟には伝説があり、
ディオニュシオス王が敵をここへ閉じ込めた時、
音がよく響くことを利用して囚人たちの話を盗み聞きしていたとか。
これだけ響くのだから確かに盗み聞きもできるかも...から妄想が爆発し、
(こんなところに閉じ込められるのか...
囚人もたくさんいるだろうし最初のポジション取りが大事だよな...
どこにしよう、奥より真ん中くらいがいいかな、やっぱ壁際?)
と、気づけば囚人目線で洞窟内をジロジロ見ながら歩いていました。
さらに円形闘技場では観客目線で妄想し、
(あそこが闘士の入り口っぽいからこの辺の席がいいか)
とまたポジション取りのことを考えながらウロウロしていました。
せっかくの妄想なのに、
王や闘士になれない脇役体質が悲しいです。
シラクーサ編続きます。
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